矢島正雄 弘兼憲史「人間交差点」/児玉隆也「淋しき越山会の女王」

最近、お風呂に古い漫画を持ち込んで読むようになった。昭和の時代に人気を呼んでいた漫画「人間交差点」だ。
今でもネットカフェの定番だけど、学生時代、漫画の中の"メロドラマ"に惹かれむさぼり読んでいた。

先日、実家の物置から引っ張り出し東京に持ってきて再読するようになった。
自分の中に"メロドラマ"を沈着させたいと一日数話ずつ読んでいる。

人間交差点」のいいところは、時に壮大な話もあるけれど、その殆どが、耳をすまさなければ眼をこらさなければ見過ごしてしまう人間の営みを描き出して感動的なことだ。俗に言う「機微」が感じ入るのである。
活字の世界で言うと、児玉隆也の「淋しき越山会の女王」(岩波現代文庫)がそんな感じだ。

毎日、テレビや新聞を見たり読んだりしていると、「大文字」の「大きな」ニュースにばかり眼が奪われてしまう。
そんな風潮を戒める意味でも、しばらく、この些細な習慣を続けよう。

淋しき越山会の女王―他六編 (岩波現代文庫―社会)

淋しき越山会の女王―他六編 (岩波現代文庫―社会)