2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

開高健「ベトナム戦記」「サイゴンの十字架」

すっと気になっていながら、何度も頁をくくりながら、読んでこなかった本があります。 開高健の「ベトナム戦記」もそんな本の一冊でした。10代でベルリンの壁の崩壊をテレビで見た冷戦下の世界を体感しなかった世代を生きてきた僕にとって「ベトナム」とは…

「『互恵』の糸」/シリーズ日本とアメリカ「深まる日米同盟」

二本のドキュメンタリー番組を見た。一本は今年のFNSドキュメンタリー大賞を受賞した「『互恵』の糸〜山里の中国人留学生を追って」日本の中小製造業がおかれている現状がかいま見えて、暗澹たる気分になった。グローバリズムのうねりの前では、地方の零…

「永遠の球児たち」/NHKスペシャル「延長17回」

春の選抜高校野球の出場校が発表された。僕のふるさとの県からも選出された。僕が高校野球をしていたころにはそんなに強くなく、むしろ母校の方が強かったぐらいだが、時代は変わるものである。そんなわけで日中、近所の図書館に行き「永遠の球児たち 〜甲子…

「サイゴンから来た妻と娘」/渋谷「故宮」

仕事帰りに先輩と台湾料理の「故宮」に行く。 料理はそれなりに美味しいのだが、紹興酒のボトルが小さく、酒飲みとしては予算が嵩むことしきり。 渋谷は酒飲みに適する飲み屋が少ない街である。近藤紘一の「サイゴンから来た妻と娘」を読む。 ベトナム戦争時…

 梶山季之「ルポ戦後縦断」

トップ屋として名を馳せた梶山季之「ルポ戦後縦断」を読む。昭和30年代の日本の空気が、皮膚感覚で伝わって面白い。王子製紙のストライキ、ブラジルの日系社会の戦後の混乱、多発する蒸発などなど16編。 人間は、歴史的偉人の「大歴史」だけでなく市民の…