2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 ハイスピードカメラという妙味

出張を終え帰京。撮影の疲れと同時に肝臓の疲れを感じる。ロケに出ると、お酒を飲みながらスタッフと番組の方向性についてじっくりと話しあうことが多いので、どうしても酒席が長くなりがちだ。でも、番組と向き合っていくために不可欠なプロセスでもある。 …

草創期の熱気

今日の読売新聞の編集手帳より。 杉下茂投手の球が打者、藤尾茂選手の下っ腹を直撃した。1955年6月7日の巨人―中日戦である。実況の志村正順(せいじゅん)アナウンサーは「当たりました。なんと藤尾の“き…”」と言って絶句した。志村アナは机の下で隣の解…

映像化の問題

国内出張です。今回の番組は映像化が非常に難しいので、ストーリーをいつもより詳細に考えていかねばなならないとあせること仕切りです。テレビは言うまでもなく映像メディアなので、「映像化」という問題が常についてまわります。映像が「強い」場合は、テ…

 テレビとは人の「表情」

出張でHDDにたまったままになっていたドキュメンタリー番組をまとめてみました。 NHKスペシャル「愛美さんが教室に戻れる日」NNNドキュメント「箱車の喜び」BS世界のドキュメンタリー「Growing Up Online」など。 NNNドキュメントが印象的でし…

 あのころの未来/谷口ジロー「犬を飼う」

後輩の家に招かれて愉しい時間を過ごした。同じ年だけど入社が一年違いの後輩とは、20代の半ばにお互い縁もゆかりもない土地に赴任し、3年間机を並べた。彼は、才能溢れているがゆえに、上司から理不尽な仕打ちをうけることが多かった。僕自身も、将来に…

 路傍の花

明治通りを歩きながら取材先に向かっている途中で、路傍につつましやかな花壇を見つけた。 小さいけれど心が行き届いているその花壇になぜか強く惹かれるものがあった。 ささやかだけど、目が行き届いて、大言壮語はしないけれど、本質的なことからは逃げな…

出張中の読書

海外出張は、移動時間が長いので、日本にいるときより本を読めるのが何よりだ。 今回の出張中に読んだ本。 夏の闇 (新潮文庫)作者: 開高健出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1983/05メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 26回この商品を含むブログ (44件) を見る…

 時差ぼけと是枝裕和

時差ぼけ。アメリカ国内を移動してさらに時間の感覚がおかしくなっていく。 以前はそんなに気にならなかったが、今回はそれなりのダメージが体に蓄積されていき体内時計は狂いっぱなしだ。 朝から撮影をして、夜は打ち合わせをして、遅くにホテルに戻って見…

「空海の風景」を旅する

久しぶりのアメリカ出張。飛行機で隣の席に座ったサラリーマンらしき白人の紳士が、10時間近いフライトの間、ずっと漢字の練習をしていた。見るとはなしに手元を見ると、 などとノートに漢字を一心に書き取っている。紳士が柔和な感じの方だったせいか、そ…

ザ・ノンフィクション「姉と弟のススキノ物語」 NNNドキュメント「兵士たちが記録した南京大虐殺」

日曜日は一週間の中でドキュメンタリーの放送枠が一番多い日だ。何本かドキュメンタリーを見る。テレビドキュメンタリーには定型があるようでないことを考える。特に民放のドキュメンタリーの場合は、伝え手(記者やディレクター)の思いが最も重視されてい…

最相葉月「東京大学応援部物語」/にっぽんの現場「告発の電話鳴りやまず」

漠然と車を走らせていると桜のトンネルに出くわした。 桜のトンネルをくぐりながら、高校生のころに中原俊監督の「桜の園」という映画を見て、女子高の演劇部の他愛ない日常の屈託を描いた小さな世界のお話なのに、「永遠」を描いている気がして、静かな感動…

新しい航海

泊りがけの出張に行きました。準備を進めている番組の企画で、初めてカメラマンと音声マンを伴ったロケでした。最近は、民生機の発達でロケを1人で行うことも多いのですが、ひとまずは3人という人数が普通のドキュメンタリー番組の最小単位です。1人でデ…

絲山秋子「沖で待つ」

先日来、道を同じくしてきた同期2人と再開する機会にめぐまれた。 慣れ合うような付き合いではないけれど、芯から信頼できる畏友たちだ。今は、担当している番組のテーマも別々で果たしてそれが、それぞれにとって適性かどうかは分からないが、彼らの番組だ…