映像の向こうにあるもの

 映像の向こうにあるものを考える機会があり、映像の、その中にある、その人々の人生に想いを馳せた。

人生がなんらかの理由で途絶するとき、そのどうしようもないやり切れなさを、映像から立ち上がってくる、光や風やつぶやき、そのようなものから痛いほど感じた。

 あるカメラマンが夭折したとき、その娘が語ったという言葉に、テレビの世界に入ってすぐに出会った。
「お父さんは家ではあまり喋らない人だったけれど、お父さんの番組でお父さんの撮影した映像を見ていると、お父さんが何を考えていて、お父さんが私に何を伝えたいのかわかりました。」

 何という美しい言葉だろうと、10年以上前の、僕は思った。そして、その言葉の意味を、最近改めて思う。