NHKスペシャル「日本とアメリカ 第三回」

日曜日の昨日、仕事関連で終日お台場で過ごしました。夜、大江戸温泉物語に行くと、お客さんの過半は、外国人でした。しかも国籍も実に様々な。経済に詳しい同僚によると円安の影響らしい。店舗の露悪的なまでの日本趣向が、分かりやすいのかも、と思ったりもしました。

遅くに帰宅してHDDに録画していたNHKスペシャル「日本とアメリカ 第三回 日本野球は宝の山」を見ました。

プロ野球から大リーグへ、スター選手の流出が止まらない。大リーグはストライキや選手年棒の高騰という危機に直面したあと、いかに“儲け”に徹する合理的な改革を断行したのか。そして、ヘッジファンドを経営し、「商品先物取引の天才」でもあるオーナーが導入した科学的な選手獲得術とは。
番組では、初めて許されたレッドソックス経営陣への密着取材を通じて、マーケティングや球場改修による観客動員作戦や、日本人選手獲得への裏舞台に迫る。 
 (番組HPより)

メジャーリーグのチャンピオンとなったボストンレッドソックスの経営改革、選手獲得法、グローバル戦略が中心となって描かれていて興味深いものでした。シリーズのテーマとするところとおそらくは関係のない、三振を四球で割る投手の評価法などのマニアックなディティールが野球ファンとしては抜群に面白かったです。経営手法は実にきめ細かいのですが、ともかく球場に屋根がなく天然芝なことがメジャーの最大の強みであると改めて思いました。

番組で残念だったのがメジャーリーグと比較すべき日本野球の球団経営の検証が不十分だったこと。メジャーリーグのグローバリゼーションの嵐の前で立ちすくむ日本野球の現状をもう少し見たかったです。日本のコミッショナー制度の旧時代的な様や球団経営者の近視眼的なビジョンなどを描きこめば、日本野球が、メジャーリーグのグローバリゼーションによってだけでなく、野球の本質とは別の論理や生理でしか動けない自らの「無能」さによって内から崩壊していく様子が見えてきたような気がします。。
それはとりもなおさずアメリカのグローバリゼーションを自らのもとしてつかむことも、あえて拒否することもできない日本社会の姿の典型なのではないでしょうか。