中野「ちどり屋」/カースン・マッカラーズ「心は孤独な狩人」

bookfan2008-02-23


土曜日だけど、何かと調べものがしたくて出社する。人が少ない職場は、心なしか空気が澄んでいるようで、集中できるし何かとはかどる。

帰りにぶらりと中野の「ぢどり屋」に行く。この店は、博多に本店があるということらしいのだけど、数年前にオープンしたてのころ、ホッピーと書いた提灯につられて立ち寄って以来、ちょくちょく足を運んでいる。地鶏たたきや、もも焼きがおいしく(九州の本場の味を知らないので、相対的な水準はわからないが)、店の雰囲気も居心地が良い。

お店で、家を出る時に何となく持ってきたカーソン・マッカラーズの「心は孤独な狩人」を読み始める。と、止まらなくなってしまい酒を飲むの忘れて100ページぐらい読んでしまう。学生時代に古本屋でいろんな古い文庫本と合わせてまとめ買いしたまま、ずっと忘れていたのだが、完全にはまってしまった。
今、半分ぐらいまで読んだ所だが、太平洋戦争前のディープサウスを舞台に、5人の登場人物がそれぞれに魂の孤独を抱え、彷徨するそのさまは、あまりに切なく、現代的である。

しかしこれだけの作品が絶版とは、そして、少しずつ人口に膾炙されることもなくなっていくとは、あまりにももったいない。