おとうと

街をぶらぶらする。 通りで野外演奏会が開かれていて、一組の姉弟が演奏に聞き入っていた。時おり、姉が弟に演奏の説明をしてやっている様子だったが、腕白盛りなのか関心があまりないのか弟は集中力を切らせてしまう。それでも姉は熱心に音楽の魅力を弟に教…

帰郷

野暮用があって実家に少しだけ帰る。何年か前、初めて訪れた妻が「中国の田舎みたい」といった本当に何もない故郷ではあるが、その変わらぬ姿が、胸に沁みるようになった。 帰郷しても、旧知の人達とは殆ど没交渉なのだが、今回は、一人の幼なじみと偶然出会…

ヒロシマ・ノート、戦争と人間

旅先で大江健三郎の「ヒロシマ・ノート」を購入。学生時代に古本屋で買って読んだような気がするのだが、読了してみると何も覚えていなかった。 僕は、この二十世紀後半の地球の唯一の地、広島の赤裸々に体現している人間の思想を記憶し、記憶し続けたいと思…

吉祥寺の古本屋

所用があっていった吉祥寺でいい古本屋に出くわす。 「東京人」や「散歩の達人」の古本屋特集などでよく紹介されている「りぶる・りべろ」。 今は東京・地方問わずどこにいってもチェーン店の古本屋がありそれはそれで重宝なのだが、やはり品揃えにこだわり…